溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛

◇◇◇
女子社員たちのにぎやかな声がこぼれる朝の更衣室。
そこで私服から制服に着替えていると、私の隣のロッカーが開けられた。
亜樹だった。


「おはよう、亜樹」


いつものように挨拶をすると、彼女は私の目も見ずに「おはよう」と素っ気なく返してよこした。
昨夜は誰それと一緒にご飯を食べに行っただとか、エステでピカピカにしてきただとか、事細かに報告する彼女がだ。
彼女の話を更衣室で聞くことが、一日のはじまりといってもよかったのに。


「亜樹?」


顔を覗き込んでみたら、「先に行くね」と目も合わさずにそそくさと更衣室をあとにしてしまった。

それはお昼も同様で、社員食堂で見かけた彼女に近づいてみても、どことなく他人行儀な様子だった。
彼女の前に座ったものの、私から一方的に会話を投げかけるばかりで、一向にキャッチボールにはならなかった。

私がなにか気に障ることでもしてしまったのか。
考えてみたところで、思い当たる節はひとつもなかった。

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