溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛
「美緒奈にはこのくらい甘くなきゃ。だけど、あまりつけすぎたらダメ。至近距離でふわっと香るくらいが、男の人をドキッとさせられるよ」
ご丁寧に裏ワザまで伝授してくれた。
「なにからなにまで、ありがとう、亜樹」
口癖の封印はちょっと痛手としても、ここまで変身できたことは感謝以外にない。
「ううん。せっかくだから私の分も楽しんでくること。これをきっかけに、女として目覚めてよね」
亜樹は私の背中を押して、慌ただしく出て行った。
『女として目覚めてよ』か……。
かなり厳しい課題には、さすがに首を縦に振れなかった。
そういう経緯で、私はこうして場違いなパーティーへと来たのだ。
人の波に乗る形で会場へ入ると、きらびやかな光に包まれる。
一瞬閉じた目を開けると、たくさんの人たちがすでに集まっていた。
眩しいのはライトのせいばかりじゃない。
会場内の人たちが放つオーラのせいもあるだろう。
私には到底出せないセレブ感。
それは、どの人を見てもそうだった。
私から庶民の気配が漂っていないか、そこで不安になる。