溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛
頭の中が彼でいっぱいだっただけに、実物を見て鼓動は急加速で高鳴る。
社内で見かけることはあっても、これほど近づいたのは久しぶりだ。
自販機から缶コーヒーを取り出しつつ、私に気づいて「お疲れさま」と声を掛けてきた。
「――お疲れさまです」
書類を胸にギュッと抱え、即座に返す。
「上川さんもなにか飲みますか?」
「い、いえっ、だ、大丈夫です」
自分でもかなりの挙動不審だと思う。
じりじりと後退りをして京介さんから離れた。
「そんなこと言わずに、少し付き合ってもらえないですか? もちろんおごります」
京介さんはコインケースから出したお金を自販機に投入しながら、「コーヒーでいいですか?」と私に尋ねる。
それに「はい」と頷くと、出てきた缶コーヒーを私に手渡した。
一瞬触れ合った指先にドキッとさせられながら、「ありがとうございます」と受け取った。
京介さんが壁に沿っていくつか並んだ椅子に腰を下ろす。
「上川さんも座りませんか」