溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛

言われるままに、ひとつ飛ばして私も座った。
雨のせいか、いつにも増して静けさが包み込む。
通路にはプルタブを開ける音が二回響いた。


「ブラックを飲まれるんですか?」


彼が手にしていた缶コーヒーはブラックだったのだ。


「え?」

「甘いものがお好きだから、てっきりミルクも砂糖も……」


そこまで言って、自分の失言に気がついた。
副社長である彼と上川美緒奈が、そこまで親密な話をしたことはない。
京介さんは面食らったような表情をして私を見ていた。


「……あの、以前、秘書室の方たちが副社長は甘いものが好きで、という話をしているのを聞いたので」


咄嗟に誤魔化す。
京介さんは、そこで表情を和らげて小刻みに頷いた。


「甘いものは好きですが、コーヒーはブラック派です」

「そうなんですね……」

< 125 / 255 >

この作品をシェア

pagetop