溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛
「乗って行きませんか? 送ります」
「いえっ、すぐそこですから」
歩いて五分とかからないし、そういうわけにはいかない。
「失礼します」と歩き出そうとしものの、彼が私の肩先を掴んだ。
「こんな雨では濡れますから乗ってください」
助手席のドアを開いて私を待つ。
そこまでされて拒否するのもどうかと思い、傘をたたんだ。
「変なところを見られてしまいましたね」
ハザードランプを消しながら、京介さんは罰が悪そうに言った。
「昼間話した彼女、このマンションに住んでいるんですが、それがどの部屋なのかわからないんですよ。これで恋人なんて、聞いて呆れます」
自嘲気味だった。
そんなふうにさせてしまったのは私だ。
「管理人さんに聞いても、個人情報を家族以外に教えるわけにはいかないと突っぱねられてしまいました。きちんと部屋番号も聞いておけばよかった」
最後はひとり言のように呟いた。