溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛
周りでグラスを合わせる音が響き、私にも近くにいた人からグラスを合わせてもらった。
背の高い外国の人だった。
自分でも相当緊張しているのはわかった。
優雅な笑みにぎこちない会釈しか返せない。
もう帰りたい。その一心だった。
出席者たちが思い思いに会場内で歓談を始める。
日本語と英語以外の言語も飛び交うとは、どれだけワールドワイドなパーティーなのだ。
当然のことながら、どの輪にも加われず、ひとり立ち尽くす。
私が庶民の空気を醸し出しているせいで、避けられているのかもしれない。
改めて、すごい場に来てしまったのだと思い知らされた。
亜樹が言ってくれたように、この場を楽しむ余裕は私には持てそうになかった。
このワインを飲み終えたら帰ろう。
そう決めて壁際に身を寄せたときだった。
「おひとりですか?」
不意に男の人からそんな声が掛けられた。
「……はい」
亜樹の言っていたのは本当のことみたいだ。
こういうパーティーで、男性は女性をひとりでは置いておかないと。
安堵と不安の入り混じった複雑な感情で、顔をゆっくりと上げていく。
ところが、その人の顔を見て私は言葉を失ってしまった。