溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛

「ホルモン鍋にしてみました。夏なのになんて言わないでね。疲れた身体にはこういうものがいいの」


確かに時期外れ。
外は、陽が沈んでも夏特有の湿気でムッとした暑さに包まれている。
でも、私のことを心配して作ってくれたことは、かなり嬉しかった。


「“暑いときには熱いものを食べろ”って、よく聞きますから」

「そう! それ!」


井森さんは人差し指を立て、私に向かって振りかざした。


「はい、座って座って」


彼女に促されてテーブルに着く。
部屋の散らかり具合はさておき、ホテルでの仕事同様にてきぱきと動き、井森さんは取り皿や箸をさっと用意してくれた。
鍋の蓋を開けると、いい具合に煮えた具材がグツグツと音を立てている。


「そろそろよさそう」


井森さんが取り分けてくれた皿から、いい匂いが立ち上る。


「上川さん、ビールは飲めますか?」

「はい」

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