溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛
答えるより早く井森さんが冷蔵庫へ向かう。
そして、数秒後に戻ってきた彼女は、よく冷えた缶ビールを手にしていた。
「どうぞ」
「ありがとうございます」
早速プルタブを開け、乾杯とばかりに缶を合わせた。
「遠慮なく食べてね」
「はい、いただきます」
皿と箸を持ったところで、突然視界が白く煙る。
眼鏡が湯気で曇ったのだ。
それを見た井森さんがふっと笑みをこぼした。
「眼鏡外した方がいいですよ」
「……そうですよね」
「手元だけならなんとかなるでしょ?」
「はい……」
それじゃと外した途端、井森さんが「え!?」と喉を詰まらせたような声を上げた。
向かいに座る彼女の顔は、鍋の湯気と私の視力が低下したせいでまったく見えない。
「上川さん、どうして眼鏡にしているの?」
「あ……コンタクトが面倒くさくて」