溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛
「あの時結婚していれば、今頃、優しい副社長となに不自由なく暮らしていたのかなっていう打算」
彼女がペロッと舌を出す。
「当時は、別れた彼のことを本気で好きだったから、ほかの人との結婚なんて考えられなかったの。でもそれも若気の至りってところかな。今だったら断然、顔よし、性格よし、経済力抜群の副社長を選ぶ」
井森さんが笑い飛ばすから、私まで笑ってしまった。
「副社長って、本当に優しいよね」
「……はい」
その優しさから垣間見える強引さにも、私は惹かれていたように思う。
ふたりで過ごした時間を思い返して、再び胸を痛みが襲った。
「ねぇ、上川さん」
井森さんが急に真面目顔で私を見る。
「本当にこのままでいいの?」
仕事のことか、それとも京介さんのことか。
どちらを指しているのかわからず、真っ直ぐな眼差しを見つめ返す。