溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛
「……緊張で食べられる気がしないんです」
どこを向いてもセレブ。
立ち居振る舞いはもちろんのこと、食べ方まで美しい。
そんな中でぎこちない動きは、できれば避けたい。
ただ、一度ならず二度までも正直に白状してしまって、ちょっと後悔した。
一応、私もセレブとして振る舞わなければならないと思い出したからだ。
「そんなに堅くならなくて大丈夫ですよ。みんな、自分のことしか考えていないから」
「……はい?」
「いや、言葉が悪かったかな。ほかの人の動向よりも、自分がどう見られているかの方に気を取られているから」
「それは、ふ――」
思わず“副社長”と言いそうになって、慌てて言葉を止める。
「あなたもですか?」
「あ、まだ名乗っていませんでしたね。芹川京介です」
そう言ってから、私の目をじっと見つめた。
私の名前も聞こうという空気だった。
さすがに本名はまずい。
「川上ナオミです」