溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛

咄嗟に“上川美緒奈”をそれぞれ逆から読んでみた。


「それじゃ、ナオミさん、少し付き合ってくれませんか」


不意に副社長が私の腰に手を回す。
それがあまりにも自然な動作だったものだから、避けることはできなかった。

初めて足を踏み入れた世界と私の生きてきた世界の違いは、天と地ほどの差がありそうだ。
スマートなエスコートをされ、ついカチンコチンに身体が固まってしまった。
それこそ、セレブ感はまるでゼロ。
はたから見たら、有名なSF映画のロボットのように見えるに違いない。

料理の並んだテーブルに着くと、副社長が皿を取った。


「どれがいい?」


副社長に料理を取り分けてもらうなんてとんでもない。
つい従業員根性で「自分でやります」と皿に手を伸ばすと、副社長は「こういうときは男に任せておけばいいんだよ」と優しく教えてくれた。

経営陣と接することが多いといっても、それはあくまでも仕事上のこと。
紳士で真面目な姿は知っていたが、副社長から女性として扱われたことがないものだから、つい胸を高鳴らせてしまった。

普段から男の人には慣れていない上、ハイスペックの男性から優しくされる機会はないに等しい。

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