溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛
「よくこうして自分のホテルに潜入しているんです」
「そうなんですか……?」
「副社長として来ても、真の姿は見られないですから」
……なるほど。
そういうことだったのか。
社内の取締役が来ているとなれば、そのホテルの従業員は警戒して、いつも以上に良く見せようとするだろう。
それを見越して変装して潜入しているのか。
肩から力が抜ける。
なにか良くない展開が訪れそうな予感がして、身体中が強張っていたのだ。
その予感は見事に外れ、最初の地点に立ち戻る。
「私の客室清掃に不行き届きな点がありましたでしょうか」
わざわざ取締役が担当者を呼ぶのだ。
問題があったに違いない。
「いえ。清掃にはなにも問題はありません」
「では、ほかに至らぬ点でも……?」
設備が破損していたとか、空調の故障だとか。
もしくは、アメニティが揃っていないということもあり得る。