溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛

「よくこうして自分のホテルに潜入しているんです」

「そうなんですか……?」

「副社長として来ても、真の姿は見られないですから」


……なるほど。
そういうことだったのか。

社内の取締役が来ているとなれば、そのホテルの従業員は警戒して、いつも以上に良く見せようとするだろう。
それを見越して変装して潜入しているのか。

肩から力が抜ける。
なにか良くない展開が訪れそうな予感がして、身体中が強張っていたのだ。
その予感は見事に外れ、最初の地点に立ち戻る。


「私の客室清掃に不行き届きな点がありましたでしょうか」


わざわざ取締役が担当者を呼ぶのだ。
問題があったに違いない。


「いえ。清掃にはなにも問題はありません」

「では、ほかに至らぬ点でも……?」


設備が破損していたとか、空調の故障だとか。
もしくは、アメニティが揃っていないということもあり得る。

< 183 / 255 >

この作品をシェア

pagetop