溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛
今ここで取るわけにはいかない。
ほぼすっぴん。
“ナオミ”のときのような濃いメイクじゃないにしても、とにかく取れない。
「なにかをさせるわけじゃないから」
「ですが……」
どうしよう。
どうやって切り抜けたらいいんだろう。
焦りが波のようにやってくる。
「どうしても取れない?」
「あの――」
そのときだった。
部屋のチャイムが鳴ったのは。
「客室係の井森と申します」
ドアの向こうから声が響いた。
私があまりにも時間を掛けすぎているからか、井森さんが心配で駆けつけてくれたようだ。
副社長は私より早く動くと、ドアへと向かった。
「――副社長!?」
井森さんが驚いた声を上げるのが聞こえる。
「井森さん、お久しぶりですね」