溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛
「あの……」
「驚かせて申し訳ありません。ホテルの抜き打ちチェックでした」
「あ、そ、そうだったんですね」
彼のうしろから顔を覗かせた私を見て、もう一度彼を見た。
「客室へ向かったきり上川さんが戻らないものですから、なにか深刻なトラブルになっているんじゃないかと思いまして……」
井森さんは私たちの様子を窺うような目で、言葉を選びながら言った。
ふたりの間にあったことを知っているからにほかならない。
「いえ、彼女は元企画部で一緒に仕事をすることも多かったもので、ちょっと長話になっていただけです。心配かけるようなことになってすみませんでした」
「井森さん、申し訳ありません」
彼のうしろで頭を下げる。
「大丈夫ならいいんです。申し訳ありません、お邪魔してしまいました」
事情を知っている井森さんならではの言葉だった。
「では、失礼いたします」
私も一緒に部屋を出ようと、彼の横をすり抜けようとしたときだった。