溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛
私が知っている数少ない男性の中にはいないタイプだ。
とにかく優しい。
しかもそれが恩着せがましかったり、わざとらしかったりしないのだから。
生まれながらにして身についているものとしか思えなかった。
船は東京湾をクルーズしていく。
東京のきらびやかなネオンが遠くに見えた。
気づくと、私たち以外にもたくさんの人たちが甲板の上に出ている。
視線を泳がせていると、「これから花火が上がるよ」と副社長が教えてくれた。
「花火?」
船の上で花火を鑑賞することになるとは。
きっとその花火も、このパーティーに出席しているセレブのためだけのもの。
普通に生活していたのでは、とうてい経験のできないパーティーだ。
最初のひとつが打ち上がり、夜空に美しい花を咲かせる。
甲板からは小さな歓声が上がった。
「綺麗……」
素直な感想が口から漏れる。
「綺麗だね」
副社長が同じことを呟いたのでそちらを見ると、夜空ではなく私を見ていた。
目の合った副社長が、そのまま私に視線を注ぎ続ける。