溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛

どうしたらいいのかわからなくて、不自然に目を逸らして俯いてしまった。

ドーンという重低音が何度も鳴り、連続で花火が花を開く。
それに連動するように、私の鼓動も音を立てていった。




「ナオミさん、ここを抜け出さない?」


私の耳元で副社長がそう言ったのは、花火が終わった直後のことだった。
甲板に出ていた人たちが再び船内へと流れて行く中、彼を見る。


「実は行きたいところがあって、ナオミさんが付き合ってくれると助かるんだ」

「……行きたいところ、ですか?」


副社長ははにかみながら頷いた。

いったいどこなんだろう。
私の返事を待つまでもなく、彼が私の手を取る。
軽く引くようにして私を立たせ、ごく自然に腰を引き寄せて歩き出した。


「車はどうしてる?」


豪華客船のタラップを下りながら聞かれ、なんのことかと考えを巡らせる。
すぐに答えられずに黙っていると、副社長は「車はどこに待たせているの?」と顔を覗き込んだ。

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