溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛

ズラッと並んだ高級車を見て、それがなんであるのかやっと思い当たった。


「――あ、車ですね」


ちょっと遠くにと言って誤魔化してしまおうかと思ったものの、そこまで一緒に行こうと言われては困ると思い直した。


「帰りが何時になるかわからないので、先に帰ってもらったんです」

「それは好都合」


副社長が微笑む。

彼に伴われ、高級車の列の中を歩いて行く。
そして私たちは一台の黒いセダンの横で立ち止まった。
会社の前に横づけされているのを何度か見たことのある車だ。

副社長に気づいて運転手が降り立つ。
彼もまた、見知った顔だった。

「彼女も一緒に」と副社長が言うと、運転手は「かしこまりました」と左側の後部座席に回り込んでドアを開けてくれた。
私が先に乗り、あとから副社長が行き先を告げながら乗る。

中は想像どおりの高級仕様だった。
グレーのレザーシートはスプリングが心地良く、背もたれのホールド感がほどよい。

運転手が乗り込むと、運転席と後部座席を隔てる壁が姿を現した。
映画やテレビでしか見たことのない造りに驚きは隠せない。

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