溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛

旅行業界で顧客に合わせたサービスの重要性が高まっていることは、たびたび耳にする。
会社の中期経営計画を策定する際に、顧客データを活かしたなんらかの方法を模索すべきじゃないかと話題にあがったばかりだ。
それが顧客との関係強化につながる。


「先日、カナダのラッセルズに初めて泊まったのですが」


副社長が話を進める。
ラッセルズといえば、世界各地にホテルを展開する一流ホテルグループのうちのひとつだ。


「こちらが申告する前に、好みの枕の堅さから食事の嗜好まで把握していたのです。それは、その数ヶ月前に同じホテルグループのインテルノに宿泊したときに伝えていたものでした」

「つまり、それが同じ系列ホテルでも網羅できるよう一元管理されていたというわけですか」


岸本部長の言葉に副社長が大きく頷く。

それはちょっとした驚きだ。
うちも三ブランドのホテルがあるが、そのホテル間で顧客情報の共有が不十分だからだ。

例えば、“高層階で、エレベーターから遠い部屋”を希望した場合、その嗜好データはホテルのローカルシステムに保存されるが、それ以上活かされることはない。

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