溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛
「今の話、美緒奈のことなんじゃないの?」
待っていましたとばかりに亜樹が口を開く。
私の腕をギュッと掴んだ。
「……違うよ」
喜んだあとに落ち込むのが怖くて、自分にも言い聞かせるつもりで言う。
傷つくのが嫌だから。
そのくせ、胸の鼓動はスピードを速めるという矛盾。
「だって、会いたいって言われたんでしょ? 絶対そうだよ」
「ほかの人のことだよ。私のはずがない」
あれから十日が経っているのだから、私との夜のあと別の女性となにかがあってもおかしくない。
そう思いながら、あの夜の別れ際のことを思い返して、『もしかしたら』と期待が顔を出す。
私の頭の中は、自分に都合のいい考えと悪い考えがせめぎ合っていた。
「知ってる? 人って最初の二十分間で、また会いたいかどうかが決まるんだって。彼が『会いたい』と言ったのなら、社交辞令でも嘘でもないと思うな」
「でも……」
「恋愛はね、頭で考えるとどんどん難しくなるの。思うままに動くのが一番なんだよ。美緒奈が会いたくないと思っているのなら無理に会えとは言わないけど」