溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛
その前には、副社長らしき迎えは到着していなかった。
エントランスから少し離れた場所に立って待つこと十分。
私の前に一台の白い高級車が停まった。
副社長だった。
社用で乗っているものとは別の車だ。
運転席から彼が颯爽と降り立つ。
ライトが当たっているわけでもないのに、なんだか眩しい。
「ごめん、少し遅れたね」
時計は待ち合わせの七時を五分ほど過ぎただけだった。
遅れたうちに入らない程度だ。
忙しい副社長なら、なおのこと。
「いえ」と小さく声に出して、軽く首を横に振る。
副社長は車に向かって足を出した私に素早く近づき、肩を引き寄せる。
卒のない身のこなしで助手席のドアを開け、私を乗せてくれた。
この前の夜と同じ扱われ方に心をくすぐられる。
副社長が運転席に乗り込むと、すぐに車が発進した。
「まずは食事にしようと思うんだけど、なにかリクエストはある?」
彼が前を見たまま尋ねる。
リクエストと言われて困ってしまった。