溺愛副社長と社外限定!?ヒミツ恋愛
子供の頃からの夢だったのだと、副社長が代わって話してくれた。
芹川家に嫁ぐほどなのだから、きっと私では足元にも及ばない家柄なのだろう。
涼子さんに案内されたのは、さっき見えた中庭がよく見渡せる個室だった。
障子の下半分を上に持ち上げると、美しくライトアップされた池が見えた。
「涼子さん、適当に見繕ってもらえますか?」
彼女は副社長に頷くと、私の方を見た。
「ナオミさん、お嫌いなものは?」
「いえっ、特にありません」
急に話しかけられて、必要以上に元気に答える。
両手まで胸の前で振った。
涼子さんは柔らかく微笑むと、「では、少々お待ちくださいませ」と部屋を出て行った。
それと同時に、ふーっと長く息を吐く。
自然と緊張していたみたいだ。
副社長の血縁の登場は、私の身体のあちこちに余計な力みを生じさせた。
「ナオミさん、料理が出てくるまでの間、少し庭を散歩しない?」
副社長が立ち上がり、座っている私に手を差し出す。
顔を見上げると、優しい笑顔が向けられていた。