拾われた猫。Ⅱ



結局最後は左之と翔を気にする暇もないまま、総司にやっと一本入れた。



悔しそうに笑いながらも、楽しそうだった総司に満足した。




「今度は勝つから」



強気な彼の言葉に笑いながら、「はいはい」と返事を返した。




翔はいつもみたいにヘラヘラと笑っていた。



その表情を見てからは、違和感のことなんか忘れてしまっていた。


左之に笑われる翔を見て、私たちも笑っていた。





その日は特に他に仕事もなく、夜が来た。



ご飯を食べて、布団に入った。



久しぶりに全力で動いて疲れていたせいか、ノアの寝顔を見ていたせいか、すぐに眠りについたのだった。



久しぶりに夢を見た。



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