拾われた猫。Ⅱ
まだガクガクと震えている彼女をどんな風に見つめているのか、彼の背中からは想像出来ない。
「新選組は行儀の良い犬ばかりじゃねぇ。
今みたいに短気な猫も混じっている。
言動には注意した方が身のためだぜ、菊さん」
いつもと違って、冷たい声は私に言われてるわけじゃないのに、体がビクリと揺れた。
その時だった。
「あーめーさぁん」
場に似合わぬ楽しげな声が私を包んだ。
背中の温かさが凍りつきそうな心を解いた。
「翔…」
ウザいと思ういつもとは違って、心強く感じた。
「はぁ…、……お前、なんで来てんだ。
待ってろって言っただろ」
後ろを振り返り、翔の頭をべシッと叩く。
「痛てっ」と頭を抑える翔が私から離れた。
左之は叩いた手を下ろすことなく、私の頭を再度撫でた。
まるで大丈夫だと言っているようで、1人でも安心できた。