拾われた猫。Ⅱ
彼女の震えが止まり、ギリッと歯ぎしりをする音が聞こえる。
柔らかい雰囲気と一変して、3人は彼女を見た。
「左之助様、貴方は私の婚約者ですのに!
何故そのような女に笑顔など……」
両手を強く握って、悔しそうに叫んだ。
〝婚約者〟…。
左之はいい家の出なのだろうか。
「その話は断ったはずだ」
強い口調で、彼女に一喝した。
彼女は目をうるうるとさせて、今にも泣きそうだった。
かと思いきや、左之に抱きついたのだ。
「私は貴方をお慕いしています…。
どうか、私と一緒になって下さい…!」
菊さんと呼ばれるこの人は普通にしていれば、すごく綺麗な人だ。
左之も所謂イケメンの部類だろう。
2人が一緒にいるところは……正直絵になる。