拾われた猫。Ⅱ



彼女の震えが止まり、ギリッと歯ぎしりをする音が聞こえる。



柔らかい雰囲気と一変して、3人は彼女を見た。





「左之助様、貴方は私の婚約者ですのに!

何故そのような女に笑顔など……」



両手を強く握って、悔しそうに叫んだ。



〝婚約者〟…。



左之はいい家の出なのだろうか。




「その話は断ったはずだ」



強い口調で、彼女に一喝した。



彼女は目をうるうるとさせて、今にも泣きそうだった。



かと思いきや、左之に抱きついたのだ。




「私は貴方をお慕いしています…。

どうか、私と一緒になって下さい…!」




菊さんと呼ばれるこの人は普通にしていれば、すごく綺麗な人だ。



左之も所謂イケメンの部類だろう。



2人が一緒にいるところは……正直絵になる。




< 14 / 305 >

この作品をシェア

pagetop