拾われた猫。Ⅱ
2人がいるところが遠いところに感じた。
『いつも何を見てるんだ?』
左之は初めから何の警戒心も無かった。
初めて温かい手に触れた。
あの時、左之を近くに感じた。
「やめてくれ」
左之は菊さんの肩を押して、自分から引き剥がした。
その時、ハッと我に返る。
ジッと私を見ていた視線に自分の視線を合わせる。
トシは悲しそうな目を一瞬伏せて、また開く。
「翔、香月を連れていけ」
「……え?」
「了解っす」
トシの命令の意図が分からないまま、翔に引きづられるように部屋から出た。