拾われた猫。Ⅱ
昨日と同じように、平助が朝食を持ってきてくれた。
お礼を言うと、笑って食べ終わるまで待っていてくれた。
「なぁ…、聞いてもいいか?」
気まずそうに俯き加減で問いかける平助にコクリと頭を縦に振った。
「総司から労咳だったこと聞いたんだ。
でも今はあの日が嘘みたいに調子いいみたいでさ。
…雨が歌って、光が総司の中に入っていったのと関係、してる…とか?」
眉を八の字にして、目を泳がせながら私を見た。
胡座の上にある握られた両手はやけに力が入っていた。
怯える子犬ような雰囲気に、堪らず笑いをこぼした。
首を傾げる平助に、未だ笑いながら首を横に振ると、「なんだよー」と雰囲気を崩した。
緊張感が解かれたのか、肩の力が抜けた。
そして私はポツリポツリと話し始める。