拾われた猫。Ⅱ
一つため息をついて、口角を上げる。
総司は私に首をかしげた。
「そうだよ…。
総司の病気を治すための事だよ。
俺は新選組の1人として、誰も死なせない」
不敵に笑いながら、総司に言い放つ。
「…もう二度と使うなって言ったら?」
「必要なら何度でも使う」
私の答えに彼は眉間の皺を濃くした。
暫く睨み合いのようになったが、彼のシワが緩んだ事で、均衡が崩れた。
「はぁぁ…」
深い溜め息は呆れたように口角を上げ、瞼を閉じた。
「まぁどうせ、雨ちゃんが曲げないのは分かってたんだけどね…」
片方だけ目を開いて、投げやりに言われた言葉に、「ごめん」と眉を下げて苦笑を浮かべる。
「けど」
総司の手が頬に添えられた。
「無茶だけはしないで。
危なそうなら途中でも横抱きにして布団に入れるからね」
頬に添えられた手は少し離れて、額を突いた。