拾われた猫。Ⅱ
フワリと浮かぶ琥珀色。
総司が部屋に帰った後、疲れてそのまま寝てしまった。
「沖田総司はもう大丈夫そうだな」
「まぁね」
腕を前に組む琥珀色の彼は微かに口角を挙げた。
それを見逃さなかった私は眉を潜める。
そんな私にクスクスと笑った。
「いやなに、お前が誰かを失わないために動いた事が嬉しいのだよ」
ポンポンッと頭を撫でる彼の手は温かく感じた。
夢なのに温かさを感じるなんてどうかしている。
「…そういえば、ノアが大きくなったんだけど」
視線を下にずらしながら話題を変える。
「その事をお前に教えようと思ったのだよ」
視線を戻すと、妖しく笑う彼がフワリと飛び上がった。