拾われた猫。Ⅱ
◇◆◇◆◇



「なーんで俺たちゃこんな所に押し込められてんだ〜?」


顎に手を当てて、眉間の皺は納得いかない事を物語っている。



「まぁそう言うなよ、新八。

上の命令なんざ、よく分かんねぇことの方が多いだろ」



永倉新八を宥めながらも、自身の得物にもたれ掛かりつまらさなそうに言う原田左之助。



城に来ている新選組隊士は全員、出入口が1つしかない大きな小屋に溜まっていた。


それは見る人から見れば、倉庫のようにも見えるだろう。




「…局長、これは本当に上からの命なのでしょうか」


さすがの斎藤一も疑問を隠しきれてはいなかった。



「うむむ…。

だが、赤木さんからはそう聞いているからなぁ…」

「山崎くんがいないようですが」



山南敬助から出た言葉に幹部たちはキョロキョロと周りを見渡す。



「あれ、本当だなぁ。

山崎のやつはどこ行っちまったんだ?」


永倉新八は更に眉間に皺を寄せた。




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