拾われた猫。Ⅱ
無意識に平助の頭を撫でていた。
「…っ!」
顔を赤くする平助の瞳にさっきのような暗い感情は消えていた。
私がニコッと笑いかけると、平助は大きな目をまた大きくした。
「……俺が慰めるつもりだったのにな」
眉を下げて笑ってくれた。
同い年くらいなのに、どこか弟のように感じる平助は放っておけない気分にさせられる。
「あー、いいなぁ。
俺も雨さんにされたいっす!」
いつの間にか私の前に来て、私よりも高い頭を低く下げていた翔。
「ほらっ、俺の髪柔らかいっすよ。
撫でたいでしょー?」
確かに柔らかそうな黒髪。
近くで見ないと分からなかった。
カットで少し髪を立たせているようだけど、ワックスのないこの世界では髪が崩れている。
こう見たら柔らかそう。
「何やってんだ、食事中に」
「痛てっ」
頭を撫でられるというより殴られて、トシに引きづられるように自分の席に返された。