拾われた猫。Ⅱ
原田左之助の言葉に一同がハッとする。
菊に向いた視線は恐ろしい程に冷たいものだった。
視線から逃れるように、俯きながらヨロヨロとに2、3歩下がった。
「た、たまたま…香月さんの部屋に行っただけよ…」
消え入りそうな声で反論した。
「ふーん。
何で〝たまたま〟行ったの?」
出ようとした足を菊の方に向け、威圧をかける総司。
バッと頭をあげた彼女の顔は赤くなっていた。
「…用があったのよ!」
「へぇー、どんな?」
沖田総司は菊の前で止まり、ニコリと笑って見せた。
彼の目は笑っていなかった。
菊が震え上がるほど冷えた瞳を止めようとする者は居なかった。
いや、誰も足を動かせなかったという方が正しい。
「…っっ」
菊は何も答えられず、ギリッと歯を食いしばった。