悠久のシャングリラ


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「あっ! 宝物がない!」


走って雨宿りできる場所を探していたのに、いきなり咲夢梨が立ち止まったかと思うと。


「え? どうしたの!?」

「大切なものがないの!」


そう言って、
回れ右をして駆け出していってしまった。

一番後ろを走っていたからか、
咲夢梨の行動に気づいたのはあたしだけ。


「ちょ、ちょっと!」


あたしも仕方なくその後に続く。

川のすぐ近くの砂場で、
座り込んだ咲夢梨を見つけ声をかけた。


「どうしたのよ! 何があったの!?」


「うーん、大切なものがね……。
もしかして、流されちゃったとか……?」


「ああ、もう! あたしも探してあげるから、
早く見つけて、雨宿りするわよ!」


「あ、ありがとう!」

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