悠久のシャングリラ


「きみたちが【罪】に囚われていたから。
……主が情けをかけたんじゃないかな?」


(情け……か)


その言葉はどうかと思うが、
あながち間違いでもないのだろう。


「……この場所は、
異世界って認識で……いいの?」

「それが一番わかりやすいだろうね。
正確には違うけど、その認識で問題ないよ」


桜も本当は聞きたいことなど
山ほどあるだろうに。

うまい言葉が見つからず、
避けているのが言葉尻から感じ取れた。


「俺たちはどうやってここに来たんだ?」


そっと指輪に手を添えた藤が、
クイナの方を見ず、独り言のように言った。

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