悠久のシャングリラ


「きみたちの想いと、彼女の想いが
【本】を通じて異世界の扉を開けたんだよ」

「……本って?」


今まで黙って俯いていた鳳仙が、
顔を上げて小さく首をかしげた。


「彼女ときみたちで作った【本】さ。
まあ、きみたちには秘密だったから、
覚えていないかもしれないけど」


その言葉で頭の中にある過去を、
探っていく。

もう全ての、ボクを構成していた過去は、
何一つ欠けることなく頭に刻まれているから、あとはそれを探り出せばいいだけだった。


(本……、本……? そういえば一時期、
物語を書くのにハマって……)


そこでハッと顔を上げる。


(そうだ。 あの本ーー、
【ハッピーエンドの本】!)

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