お前のこと、誰にも渡さないって決めた。
*
*

数日後の放課後。

もちろん今日も体育祭の練習。


やっぱりバトンパスが上手くいかない私は、グラウンドの隅で個人練習をしていた。





「ひまりちゃん!今から休憩ね〜っ」





声をかけられて、ふっと肩の力を抜く。


………よし休憩時間っ!




「そういえば喉乾いたなぁ…」



水分補給しようと、ベンチに置いていたお茶のペットボトルに手を伸ばしたけれど。



え、もしかして空……?



どうやらさっき飲んだときに、飲みきってしまっていたらしい。





空っぽになったペットボトルを見つめて、はーっと息をついた。



小銭持ってくるの忘れたし、まぁいっか……!



「それより、」



お茶なんかより、こっちの方が何倍も元気になれるってことに最近気づいたから。



フェンスの方に駆け寄って、ここのところ毎日の楽しみにしていること─────みっくんの走っている姿を眺めることに専念する。




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