お前のこと、誰にも渡さないって決めた。


「そんなに痛いなら掴まってれば」


ごく自然な動作で、みっくんの片手が私の右手に触れた、けど……




「やっ……!」




差し出されたその手を、思わず振り払ってしまった。



だって。



手なんて繋いだら、消毒どころか、どきどきして倒れちゃいそうなんだもん。



好きな人に一瞬触れただけで、こんなにどきどきするなんて知らなかった。





みっくんの手を払い除けた私に、みっくんは一瞬驚いたような表情になって、


それから、素っ気なく





「あっそ、……ならいいけど」




と少し不機嫌そうに呟いた。



幼なじみだけど、みっくんの不機嫌スイッチがどこにあるのかは、未だにわからずにいる。




そして、消毒の痛みを涙目になりながら耐えて。




それが終わったら、みっくんはぺたりとばんそうこうを貼ってくれた。




「はい終了」



みっくんがそう言って立ち上がって。





「あの……っ、ありがとう!!」




いつ言おう、とタイミングを計らっていたお礼の言葉を口に出した。



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