お前のこと、誰にも渡さないって決めた。
みっくんは、私の言葉には答えずに
「そういえば……さ、」
「?」
「借り人競走さ、誰と走った?」
唐突な質問を投げかけてきて。
「翔太くんと……」
「浅野?」
私が頷くと、みっくんは少し黙り込んで。
え、なんでこんな……こう、なんていうか、凍ったような空気が流れているんだろうか。
なんて、考えているとみっくんが口を開いて、
「浅野のところに走ったわけ?」
「や、ちが」
「おまえさ………」
翔太くんが助けてくれただけなのって、説明しようとした言葉はみっくんに遮られて。
だけど、みっくんはハッと我に返ったように口を噤んだ。
「やっぱいい。なんでもない」
ほんとかな。
私には、なにか聞きたいことがあるように見えたけどな……。
だからといって聞き返す勇気はなくて、自分の膝に視線を落とした。
みっくんが貼ってくれたばんそうこうが目に入って、胸がいっぱいになって、
気づけば口を開いていた。