お前のこと、誰にも渡さないって決めた。


みっくんは、私の言葉には答えずに



「そういえば……さ、」


「?」



「借り人競走さ、誰と走った?」




唐突な質問を投げかけてきて。




「翔太くんと……」


「浅野?」




私が頷くと、みっくんは少し黙り込んで。


え、なんでこんな……こう、なんていうか、凍ったような空気が流れているんだろうか。



なんて、考えているとみっくんが口を開いて、




「浅野のところに走ったわけ?」


「や、ちが」



「おまえさ………」




翔太くんが助けてくれただけなのって、説明しようとした言葉はみっくんに遮られて。


だけど、みっくんはハッと我に返ったように口を噤んだ。




「やっぱいい。なんでもない」




ほんとかな。


私には、なにか聞きたいことがあるように見えたけどな……。




だからといって聞き返す勇気はなくて、自分の膝に視線を落とした。



みっくんが貼ってくれたばんそうこうが目に入って、胸がいっぱいになって、



気づけば口を開いていた。



< 194 / 387 >

この作品をシェア

pagetop