お前のこと、誰にも渡さないって決めた。
*
*


体育祭も終盤とあって、わあわあと盛り上がるクラスの応援席。


ううん、きっと理由はそれだけじゃないと思う。




「夏奈ちゃん!!もうほんとにかっこよかったよ!!惚れちゃった!!」




興奮気味に夏奈ちゃんに声をかける私。


一方の夏奈ちゃんは応援席に戻ってきたばかりで、火照って暑そうな頬をぱたぱたと扇いで冷ましている。




「あー、久々に全力で走ったけど、意外といけたし楽しかったな〜」



「意外といけたっていうか……凄すぎたよ!?」




そう、クラスがこんなに湧いている大きな理由は、ついさっき終わったスゥエーデンリレーに違いない。




もうなんか……みんな足が速すぎて応援するというより、もはや唖然としながら眺めていた。




夏奈ちゃんの走る姿なんてあまり見たことがなかったけれど、風のように速くて、もう惚れるレベル。




そんな夏奈ちゃんの活躍もあって、我がクラスは余裕でいちばんにゴールだったの!!



それで、こんなに盛り上がっているということ。





「ていうか、“惚れる” なんて簡単に言ってくれるけど、ひまりは棚橋くんにベタ惚れじゃないの〜」


「か、夏奈ちゃんってば!」





事あるごとに私をからかってくる夏奈ちゃん。


この会話、もう何度繰り返したかわからないけど……飽きないのかなぁ。



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