お前のこと、誰にも渡さないって決めた。

そう思ったとほぼ同時に、走者がワラワラとレーンに並び始めて。



私の視線は自然と、第4走者──────つまり、アンカーの方に引き寄せられた。




うーん……ここからはよく見えないけれど、みっくんと翔太くんはなにか話し込んでいるようだ。



ふたりは友達同士だもんね。




翔太くんいいなぁ、なんて勝手に羨ましがっていると、隣で同じようにみっくん達の方を見ていた夏奈ちゃんが声を張り上げた。





「浅野───────っ!!
絶対勝てよ────!!」




すると、そんな夏奈ちゃんに反応して、翔太くんがこちらを向いた。



そして、手を振って応援する夏奈ちゃんに気づいて、翔太くんも手を振って。




そんな翔太くんの視線が横にスライドして……



隣にいた私と、パチリと視線が絡んだ。





翔太くんが、私にも手を振る。



なにか私も返さなきゃ、と思って焦って小さく顔の近くで手を振った。




すると、翔太くんは満足そうに、所定の位置に戻って行って。




「わー、あれはやる気満々だね、浅野って単純」



一部始終を隣で見ていた夏奈ちゃんは、そんなことを言うけれど。




「え、そうなの?」



私にはさっぱりわからず、首を傾げた。



そんな私を小突いた夏奈ちゃんは呆れたようにため息をつく。




「この小悪魔め〜」


「え、えぇ?」




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