お前のこと、誰にも渡さないって決めた。

理解力が乏しくて目をぐるぐるさせている私を見て、夏奈ちゃんはおかしそうに、ぶはっと吹き出した。



も〜〜っ、なにがそんなにおかしいのっ!?


なんて、頬を膨らませていると、




「はいはい拗ねるのはいいけど、ほんとに始まっちゃうからね!ちゃんと応援しないと!」




夏奈ちゃんにたしなめられて、素直にグラウンドに視線を向けた。




スターターのピストルの銃口が空を真っ直ぐに指している。




第1走者の人達が、用意の姿勢をとって。




観客席が息を呑んだ瞬間。





パンッ




リレーの火蓋が切って落とされた。



瞬間辺りを包むのは、クラスメイトの歓声のような声援。




私は、一心にランナーを目で追った。




スタートダッシュで誰よりも先に飛び出したのは、うちのクラスの男の子。



たしか陸上部の男の子……だったっけ。




その実力は確かなもので、一人だけ明らかに先頭に抜きん出ている。




応援席のクラスメイトの歓声のボルテージも一段と上がって。



< 201 / 387 >

この作品をシェア

pagetop