お前のこと、誰にも渡さないって決めた。
「え、何パン?」
「クレームブリュレデニッシュ!!」
「うっわ胸焼けしそう……」
同感。
単語の響きからして、甘すぎる。
「ええっ、絶対美味しいよ〜っ」
ふわふわして掴みどころのない、甘ったるい声。
もう、こいつの身体、砂糖で出来てんじゃねーの?
そんなバカな思考に走りかけたとき、
「あっれ、光希まだこんな所にいたわけ?」
利樹の声が背中越しに聞こえた。
「8組?何見てんのー」
興味津々、といったように近づいてくる利樹からふい、と目を背けた。
大体、利樹はタイミングが悪い。
「別になんもねーし……」
口ごもった俺を怪しいと思ったのか、窓から8組の教室をひょい、と利樹が覗き込んだ。
「うわ、あれ花岡ひまりじゃんっ!」
利樹が驚いたように声を上げる。
つーか、なんで名前知ってんの?
利樹とアイツって別に接点なんて……
「ぜってーおまえ、あの子のこと見てただろ!」
にやにやしながら俺のことを肘でつついてくる利樹。
「あいつ、そんなに有名なわけ?」
俺が首を傾げると、