お前のこと、誰にも渡さないって決めた。


「や、いいって。俺が好きでやってるんだし、受け取ってもらったほうが嬉しい」




ただし、今日はアイツ1人ではないらしい。


あれは────





「ほんっとーに、ごめん!翔太くん!」




アイツが口にしたその名前にハッとする。




体育祭の日にも思った。

浅野といつから、名前で呼ぶほど仲良く─────?




「だから俺は別に。さすがに、お茶もサイフも忘れたからって一日何にも飲まないのは厳しいでしょ」




浅野のその一言で、状況をだいたい把握した。



どうやら、俺と全く同じことを仕出かしたらしい。

挙句の果てにサイフまで忘れるという。





だけど。

だからってなんで浅野が……?
別に、早坂とか他のヤツがいくらでもいるだろ。




「あのっ、ちゃんといつかお返しするから!」


「ん、ひまりちゃんの役に立てて光栄だよ」





浅野の手が、アイツの頭の上に自然に乗って。



そんな些細なことに、なぜか心が波立って──────




「光希?おまえ、こんなとこで立ち止まって、」




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