お前のこと、誰にも渡さないって決めた。
名前を呼ばれて振り返ると、なぜかそこには利樹がいた。
その利樹はというと、何かに気づいてはっと口を噤む。
視線の先にいるのは、もちろん浅野とアイツなわけで──────。
「もういいだろ」
自分の口から出たのは、予想以上に尖った声で驚いた。
でも、そんなことより先に、利樹の腕を強引に引いて、教室に戻ろうとする。
ある程度離れて、そこで、利樹がピタリと足を止めた。
「噂って本当だったんだな!!」
「は?」
利樹が言うことは、いつもいきなりすぎて着いていけない。
俺が怪訝な顔をすると、利樹はべらべらと喋り始めた。
「ひまりちゃんと浅野だよ、体育祭のときからウワサになってんじゃん」
「ウワサ……?」
「光希ってほんとそういうの鈍いのな。だから、ひまりちゃんと浅野がデキてるっていう話!」
一瞬考えて、それから口を開いた。