お前のこと、誰にも渡さないって決めた。


「んなのあるわけ……」


「それが、あるんだよ!」



利樹の勢いに俺の反論も蹴落とされる。



「や、俺も浅野の方はよくわかんねーけどさ!ひまりちゃん、体育祭、借り人競走走ってたんだけどさ、好きな人ってお題引いて浅野のとこ走ったんだってよ!!」




「………っ」




浅野と走ったってことは、俺だって知ってる、けど。



「俺も半信半疑だったんだけどさ。今ので確証したわ」



あー、俺がアプローチするターンもなしかー、なんて残念がる風でもなく言う利樹。




だけど俺は、苛立つ一方で。


なんで?


アイツの顔を見たから?
アイツの話をしてるから?



こじつけようとしてはみるものの、そのワケは何か他の大事なところに落としてきたような気がする。




それを誤魔化そうとして、口を開いた。




「浅野の方が、アイツに気があるんだと思うけど」



なるべく何気なく。


そうじゃないと、なにかが決壊してしまいそうで。





「まじか!!じゃあ、ふたりって本当に両想いじゃん!やべ〜、美男美女かよ〜」





利樹が興奮しつつ言った言葉が、

やけに刺さる。




痛い。




痛い。




どこがって………胸のあたりが。




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