お前のこと、誰にも渡さないって決めた。
*


「美味しー?」

「美味しいっ、けど、本当によかったの?」



私の手には、チョコバナナのクレープ。

3年生のクラスだけあって、模擬店とは思えないほどのクオリティ。



頬張ったそれは、とっても美味しいくてほっぺたが落ちそうなんだけど……。




じゃあ何が問題かって?




そう、このクレープ、実は翔太くんが奢ってくれたんだ。
遠慮する隙さえないほど、さらっと2人分買ってくれて。




「気にしないで、これくらい男が払うよ」




にこにこ、と嬉しそうな翔太くん。


そう言ってくれるなら………と、お言葉に甘えて、とりあえずクレープを堪能することに専念する。




あー幸せっ!

ふわっふわの生地に、程よい甘さのホイップに、バナナ、チョコレートソース。




甘いものって、食べているだけで幸せになれる。

もはや、眺めているだけでもハッピー。





もぐもぐと味わっていると、翔太くんがくす、と笑った。




< 272 / 387 >

この作品をシェア

pagetop