お前のこと、誰にも渡さないって決めた。
そのまま、一般公開していない、在校生以外立ち入り禁止の西校舎の階段を登っていく。
みっくんの歩くスピードは速すぎて、
私はもうほとんど小走り。
「っ、どこ行くの?」
思わず尋ねた私に、みっくんは即答する。
「どこでもいいだろ」
………答えになっていないけど。
でも、もうそんなの関係ない。
関係ないって言うよりは、考えられなくて。
みっくんと手を繋いでる。
繋いだ手から流れてくる脈とか、体温とか、ぜんぶに胸が苦しくなって。
繋いだ手がジンジンと熱い。
なんで不機嫌なの、とかどこに行くの、とか聞きたいことはいっぱいあるけど、もうどうでもよくなってきて。
絡ませた指先に残ったのは、どうしようもなく好きだという想いだけ。
永遠のように長く、一瞬のように短く感じた時間のあとに、みっくんが急に立ち止まって。
かと思えば、ガラガラッと荒っぽい音を立てて教室の扉を開けた。
誰もいない、使っていない、空き教室。
戸惑う私の背中を押して、開いた扉の向こうに押し込んで、それからみっくんも入ってきて。
みっくんは後ろ手に教室の扉を閉めた。
─────つまり、今ここには、みっくんと私のふたりだけ。