お前のこと、誰にも渡さないって決めた。
よかった…って!
そんな切り札を使っているんだもの、私にYESの返事を言わせたのは翔太くんだよ。
思わずむっと口を尖らせた私に、翔太くんはごめんごめん、と悪びれずに謝って。
「じゃあ、25日の10時に、駅の時計台のところで待ってるから」
待ち合わせ場所と時間を私に告げる。
私はこくり、と頷いた。
そんな私に柔らかい笑顔を見せて、翔太くんはまるで宣戦布告するように私に言う。
「絶対後悔させないから。俺が楽しい一日にするよ。……だから、」
「?」
「………ううん、この続きは25日に、ね」
そう言い終えて、じゃあ戻ろっか、と言って教室へ戻っていく翔太くん。
私もその後を追って教室へ戻った。
……翔太くん、何を言おうとしてたんだろう。
でもまぁいいか25日にはわかること、だしね?
「わ、ひまりおかえり!!ね、浅野と何の話してたの?」
他にもいっぱい気になることはあるけれど、
まずは興味津々な夏奈ちゃんに、説明することから始めようかな。