お前のこと、誰にも渡さないって決めた。
*
*


「うあぁーっ!もう二学期も終わりだなんて、早すぎだ〜っ」


「ほんとに!気づけばもう12月だったよ〜」





放課後、夏奈ちゃんとあーだこーだ言いながら帰る帰り道。



夏奈ちゃんと出逢ったのなんて、考えてみればほんの少し前なのに、そうは感じないのが時間の流れってもので。




「来年も、よろしくね」




改まって私がそう言うと、夏奈ちゃんは照れたようにはにかんで、




「やだなぁ、もう………私のほうこそだよ!」




嬉しそうに言ってくれたから、私はもう大満足だ。




「じゃ、私ここで!」


「うん、またねっ」




夏奈ちゃんと、私の家との分かれ道。


いつも通り手を振って。




「ばいばーい!」




そして夏奈ちゃんの姿が見えなくなれば、もう冬休みなんだなあ、なんてまた実感した。




そして、独りでの帰り道はやっぱりどこか寂しいなぁ、なんて思いながら歩いて。




ようやく着いた、我が家の前。


その頃には、すっかり手がかじかんでいた。




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