お前のこと、誰にも渡さないって決めた。

「あの……ごめんね、その日誘われてて……」



そう、私、今日翔太くんと約束したばっかりだった。


だから、25日は空いてない。




そんな私の様子に、みっくんは険しい表情をしながら少し逡巡したのち、



「誰?」



と聞いてきた。


そんなみっくんの質問に対し、
私は、隠す必要もないよね、と思い素直に答える。




「翔太くん、だよ」


「は?」




“翔太くん” の名前を出した瞬間、みっくんを纏う空気の温度が、一気に氷点下まで下がったような気がした。



そんなみっくんに、私は呆気にとられて。




………え…っと、私、なにか今まずいことでも言った?



心当たりはないけれど。




「なんで浅野と会うことになってるわけ?仮にもクリスマスに」




みっくんから放出される、絶賛不機嫌オーラ。


責めるような質問に、私はごくり、と息を呑む。




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