お前のこと、誰にも渡さないって決めた。
「あ、ありがとう……っ」
結局、迷った末に私が選んだのは、
オフホワイトで首元にパール風のビーズがあしらわれた、ふわふわのニットと、ネイビーでベロア素材のタイトスカート。
それに、白っぽいベージュのロングコート、タイツ、そして私が持っている中でいちばんかかとの高い靴。
ちゃんと鏡で確認してきたけれど、それでも不安で。
翔太くんが褒めてくれたことで、やっと背筋を伸ばして歩ける気がする。
ほっと胸をなでおろしていると、
翔太くんがひょい、と私の顔を除き込んだ。
「っ!?」
驚いて、思わず身を引くと、
次の瞬間にはもうすでに翔太くんの顔は離れていて。
きょとん、とした私に翔太くんがたずねた。
「今日、もしかしてメイクしてる?」
「え……?」
私が首を傾げると、翔太くんが気のせいかもしれないけど、と口を開いた。
「なんか……ほっぺたがいつもより赤く見えたから」